2013年9月30日月曜日

夜の散策

ハーリド先生はまたお休み…。例のごとく寮に逆戻り。昨日,学生長に「明日の夜集まって写真を撮る」と言われていたので昨日と同じ時間に同じ場所で待機していましたが,時間になっても現れる気配がなかったため,外に遊びにいくことに。

中国からの友人2人と,台湾人ひとり,僕の合計4人で「スーク・ムバーラキーヤ(سوق المباركية)」へ夕飯を食べにいくことにしました。このスーク(市場)を日本の市場で例えると,上野のアメ横に魚市場と野菜市場を足した感じでしょうか。ここでは「The Avenues」や「360モール」とは違い,庶民的な価格で物が買えます。

タクシーでひとり0.25KD。目的は食事だったので,早速屋外フードコートらしき場所へ。

噴水がありました

大型テントの下にテーブル席がたくさん並んでいて,ひとつのお店がテーブル席一列を給仕しているようです。通路を歩いていると客引きが盛んに声をかけてくるので適当にあしらいつつ,結構人が入っていたエジプト料理のお店の席に座ることに。

今回選んだお店「アミール」

テーブルがいくつもあります

席に着くと水がボンッと置かれるので,いらないと言って下げてもらいます。チキンとケバブとお茶を注文してみんなで7.3KDくらい。ナンみたいなパンも無料でついてきます。

野菜付き

自分で砂糖をたくさんいれます

スークをぶらぶらしながら魚料理を求めて「はしご」をすることに。 途中イラン人のおっちゃんやら何人かよくわからない兄ちゃんの写真を撮ったりして,ようやくお店を発見。

八百屋のおっちゃん

誰かに似てる…

全部入りきりませんでした

ここでも席に着いたらいきなり野菜のかたまりが出されたので,写真だけとって下げてもらいました笑。


大量の野菜

店員が6KDのでかい魚があると言うので,それを注文することに。数十分待っていると,うろこ付きのまずまずの大きさの魚がやってきました。白身ですねきっと…。

白身魚

食べ終わった頃にはガラガラに。タクシーで帰宅。一人0.25KD。

ガラガラのスーク

2013年9月29日日曜日

アラブの詩

授業前ぎりぎりに起きて,急いでランゲージセンターへ。

先週の続きの穴埋め問題。文中に「نجم(星)」という単語が出てきたので,星座についての話に。星座についての逸話や中国の干支の話をしてくださいました。この地域の文化では,牛が「体は強いが頭は弱い」ものの象徴で,羊は「意思をもっていない」ものの象徴だそうです。一方,猿は「顔が整っていない」ことを表現する際に用いられるとか。

今日ははじめて宿題が出ました。最初の方のページにあった単語集の中から6単語を選択し,それぞれ整った文を書いて翌日までに提出するようにとのことでした。部屋へ戻ってカップヌードルを食べ,しばらく待機。

南アジア風カップヌードル

われわれ留学生は,毎週日曜日,ムルスィル・アジュミー(مرسل العجمي)文学部長によるディーワーニーヤに招待さています。今回は,グルジアから2人,台湾からひとり,われわれ2人と,クウェート大学の学部生3人が参加。

いつも通り挨拶してから,ディーワーニーヤの広間へ。まず席に着くとアラビアンコーヒーが給仕されます。一杯飲み終わったらそのカップを持って手首を左右にくるくる回す動作をしないと,給仕の方が注ぎ続けるので注意が必要です。なおカップは,必ず右手に持ちます。 毎回テーマがあるわけではないのですが,今回は「詩」について。グルジアからの留学生2人が,大学で専門的に勉強していたため,だいぶ助かりました。僕は何を言っているんだかさっぱりでしたが…。サマーコースあたりになったら,わかるようになっていると思います。ちなみに,文学部長の息子さんはクウェート大学で心理学を学ぶかたわら,詩人としても活動しています。

どれもこれも美味しい…

さてお待ちかねのご飯です。もはやこれが目的…。バイキング形式で好きな物を何回でもとることができます。相変わらずご飯はとても美味しいです。

全部盛りきれませんでした

ご飯を食べてから少し話して,22時ごろ寮へ向けて出発。とにかく運転が荒いし早いです。笑いながら時速180キロを平気で出します。部屋についてから明け方まで諸々の作業をして就寝。

2013年9月28日土曜日

人の和

昼過ぎに起きて部屋でごろごろ。気づいたら夕方に。

今日は「日本ポップカルチャー祭」で出会ったアブドゥッラフマーン(عبد الرحمن)さん(25歳)が「360(スリーシックスティー)モール」を案内してくれることになっています。彼は地方自治体の職員さん。寮まで迎えにきてくれました。今回はじめてこちらの挨拶の仕方を体験。握手をしてから,その後右ほほ,左ほほを合わせます。僕はこの挨拶の仕方を気に入っています。挨拶も終わりモールへ向けて出発。

360モールの外観

360モールは,3階建ての円形モールです。他のモールと同様に,海外のブランド店やフードコート,ゲームセンターなどがあります。ぶらぶらしてから「Geant」というスーパーマーケットでふたり分の日用品合計9.730KD購入。

噴水

その後「Caribou Coffee」 へ。2KDでチョコミント味のフラペチーノを購入。だいぶ気に入りました。このお店,日本でみたことないですが,米国には結構あるようです。

カリブーコーヒー

チョコミントフラッペ

そこで彼の友人を紹介してもらいました。今年の12月に東京を訪れるとか。なんとたいへんめでたいことに来年春に結婚するらしく,なんと結婚式にわれわれを招待してくださるそうです(إن شاء الله)!それまでに流暢にしゃべれるようにならなくては…。2時間くらいお話しして,お別れ。友人の和が日に日に広がっていきます。

Caboria

その後「Caboria」でインド料理のファストフードをおごってもらいました。シャワルマというそうです。ナンのようなもののなかに,味のついたチキンが入っています。

シャワルマ

帰り道,アラブに対するメディアのあり方や,イスラーム教徒の実像,宗教について話し合いました。特に宗教に関して,僕はこれといって何かを信じているという自覚はありません。この「信心がない」という状態について,どうしても伝えておきたいことがあって,彼に伝えてみました。うまく伝えきれたかどうかはわかりませんが「特定の宗教や神的存在を信じていないことは,道徳(モラル)の有無とは無関係であり,道徳は人間であれば,誰にでも備わっている基本的な良心だ」ということです。彼がイスラーム教徒であることは十分知っていましたし,このようなデリケートな問題に首を突っ込むのは,これからの関係を考えるとよくないなと思ったりもしましたが,今回正直に伝えてみてよかったと思っています。彼もこのことに同意してくれました。彼はその後「誰が何を信じようが信じまいが,相手に敬意を払ってさえいれば,何の問題もなく,その敬意こそが最も重要である」と言ってくれました。僕もそう思います。寮まで送ってもらって,熱い握手を交わしお別れ。

時計は0時近くになっていましたが台湾人の友だちがまだ起きていたので,彼を部屋に呼んで中国と台湾の関係についていろいろと教えてもらいました。前回のディーワーニーヤの場で台湾の帰属に関する話がでたのですが,その時に台湾人ふたりは言語的な問題で自らの立場を表明しきれなかったため,もどかしい思いをしたのだとか。この話題はだいぶ込み入った話のようで,中国人と台湾人同士ではなるべく話さないようにしているとのこと。他にもいろいろと話して,気づいたらもう朝になっていました。シャワーを浴びて就寝。

2013年9月27日金曜日

ふたりの友だち

また昼過ぎに起床し,昨日食堂からもってきたパンをキッチンであっためて,ブルーベリージャムをつけて昼食に。

上がこげてしまったので削りました

今日は「日本ポップカルチャー祭」の時に知り合ったミシュアル(مشعل)くんとスウード(سعود)くんにクウェートの街を紹介してもらうことになっています。15時30分ころに寮まで来てくれるとのこと。いつも通りネコと遊びながら待機。

涼しくなってきましたね

ミシュアルくん(21歳)は「American University of Kuwait」の学生。来年の8月にひと月ほど日本に滞在するそうです。一方,スウードくん(21歳)は,高校の単位を途中まで取り,現在は働いているそうです。彼は,将来日本の大学に通いたいと言っていました。ふたりとも今年度クウェート大学でひらかれる日本語講座を受講するらしく,われわれが日本語の勉強をお手伝いし,彼らがわれわれのアラビア語の勉強をお手伝いしてもらうといことになっています。ふたりともアメリカ人と見分けがつかないほどの英語を話します。

まずは「Marina Mall」へ。「The Avenues」にはクウェート人がたくさんいましたが,ここはホテルが近いため外国人観光客の割合が多いです。中はどこのモールでも変わりないため,海辺を散歩することに。

入り江

この円形の入り江には数年前クジラが迷い込んだらしく,当時は大ニュースになったとか。ダイバー数人がかりで出口に誘導したそうです。

南国みたいです

しばらくビーチ付近を散歩。泳いだりしているのはほとんど外国人のようです。しかしやっとこうやって日の出ている間に外を歩けるようになってきました。

おしゃれな場所に日本料理店が

日本料理店「」のところまで歩いて,次は車で「The Scientific Center」へ。ここでは,クウェートが海洋貿易で栄えていた時代の船をみることができます。船にはいくつかの種類があって,小さ船から大きい船まで,それぞれに名前と用途がわかれています。ふたりにそれらを解説してもらいながらしばらく見物。

かつて活躍していた船たち
 
最も大きい船

次は「Kuwait House of National Memorial Museum」へ。行ってみたものの金曜日でお休み。中に入ることはできませんでしたが,博物館の外にはクウェート侵攻で実際に使われた戦車をみることができます。

本物の戦車

19時も近くなったので,夕飯へ。今回は「Golden Chopsticks」という中華レストランです。店の中が結構暗かったので,うまく料理の写真を撮ることができず…。一部関係者から「これはもはや料理ブログではないか」とのご指摘を頂戴してから,逆境に負けずにいっそう力を入れようとしていたのですが残念…。方言を教えてもらったり,ガンプラの話をしたり,気づいたら23時くらいまでお店でずっとしゃべってました。ちゃっかりおごってもらって,寮でお別れ。

Golden Chopsticks

今日一日,日本好きの彼らと過ごしてみて,やっぱり日本人でよかったなと思いました。日本ポップカルチャー祭の時もそうでしたが,ここに来て我が国の「文化力」を肌で感じています。何より自分がアニメとかガンプラとか好きでよかった…。なんといってもここでは追い風。全然違う環境で育ってきた人間が,同じものに共感するあの感覚が忘れられません。

帰ってネットサーフィングをしていたらお腹が減ってしまったので,パンとオリーブオイルでお夜食に。お腹をふくらせてから就寝。今日も良い一日でした。

お夜食

2013年9月26日木曜日

夜食

一日は昼から始まります。起きてすぐ昨日の戦利品で昼食。キッチンにあるオーブンを使おうと思ったのですが,なぜか動かず…。仕方なくフライパンの上にパンを乗せ,アルミホイルでふたを被せ,オーブンのようにして焼くことに。パンはあっためることで数倍おいしくなります。

昨日の戦利品

今日はしっかりとした足付きでランゲージセンターへ。昨日の続きです。授業の内容に入るかと思いきや,いきなりクウェートでの結婚について。まず結婚式は男女分けて行われるそうでうす。男性の場合,食事や歓談以外に,剣と銃を持って伝統的な踊りを踊るようです。一方女性の場合は,現代手的な踊りや伝統的な踊りも含めて,とにかく踊るとのこと。

幸せな結婚の話が終わると,次は離婚の話に。クウェートでの離婚率(おそらく結婚した組み数を離婚した組み数で割ったもの)は50%を超えるそうで,最近ではこの数値が徐々に上がってきているみたいです。これは意外でした。

結婚のあり方について,最近の若者は,大学や職場で出会ってから結婚のセッティングをするそうですが,今でも親が決める結婚はよくある話みたいです。15時の休憩時間までずっと脱線。授業が再開し,問題を2人組で解くコースワークを10分ほど行ってからまた脱線。

ハーリド先生がイギリスの大学院で修士論文を執筆していたとき,隣で同じように論文を書いていたモロッコ出身の学生に「お疲れさま」の意味で「الله يعطيك العافية(神があなたに活力を与えますように)」と声をかけたところ,その学生が急に怒りだしてしまったそう。実は「活力」を意味する「عافية」が,モロッコ方言では「火」を意味するようで「神があなたに『火』を与えますように」と,相手の災難を願う発言をしたことになってしまっていたそう。クウェートとモロッコは同じアラブ圏とされますが,言葉がここまで違うとは驚きです。今日は16時くらいに解散。

部屋へ戻って20時くらいまでお勉強。夕飯は昨日頂いたものにして,ジュースをもらいに
 食堂へ。パンが置いてあったので,それを持って帰ってまた少しお勉強。

ただのパン

今日は早く寝てみようと思い23時ぐらいにベッドに入るも,お腹がすいて2時30分くらいに起きてしまいました。フライパンとチキンカツサンドを手にキッチンへ。アルミホイルを被せじっくり焼きます。

アルミホイルのふた

うまいこと焦げ目もついて,おいしく焼き上がりました。コーラと一緒に夜食の時間。ネットサーフィングをしていたら明け方に。

チキンカツサンド

2013年9月25日水曜日

サマーウォーズ

昨日も明け方まで勉強して,また昼過ぎに起床。食券がどんどん溜まっていきます…。何も食べずにランゲージセンターへ。

クラスでは結局「アル=キターブ・フィー・タアッルム・アル=アラビーヤ(الكتاب في تعلم العربية)の第二編」は購入せずに,全員分毎回プリントアウトしてもらえることになりました。今日は第2課。アラブ圏の祝日やお祭りについてです。まずは祝日にはどんな種類があるのか,祝日に交わす挨拶はどのようなものなのかということについて。その後,2人組をつくって単語リスト上にわからない単語がないか確認。今日の脱線のうち,メインだったのはクウェートのインフレについてとアラブの詩人についてでした。時間的には4割教科書に沿った内容(コースワークを含む),6割脱線している気がします。

ホワイトボードはあまり使いません

さて今日は日本人会主催の映画鑑賞会が日本国大使館で行われます。事前に「クウェート人を誘って欲しい」との依頼があったため,カバちゃんを誘ってみました。ナナちゃんにも声をかけたのですが,忙しいとのことで残念。授業後,ランゲージセンターで待っていると,仕事着(伝統衣装)のままのカバちゃんが登場。完全にクウェート人です。

車に乗って「シャーミーヤ・コープ」へ。近くにフードコートがあったので,そこで昼食兼夕飯。僕はKFCで1.8KDのセットを注文。さすがKFC。どこも同じ味。

ディナーセット

帰り際に31アイスクリームでアイス700フィルス(0.7KD)を購入。時間も押していたので急いで車に乗って大使館へ。

お気に入りのクッキー&クリーム

時間ぎりぎりに大使館へ到着し,19時から上映開始。上映する映画は「サマーウォーズ」。個人的には大満足。夏希先輩最高です。ちなみに今回,日本人会主催の映画鑑賞会でアニメ作品を放映するのは初の試みだそうです。今後さらにアニメ作品を強化して欲しいところです。いや,もちろんジブリとかのことです。

上映後,日本食が供されました。久しぶりのお米に感動。スイーツもとてもおいしかったです。

供された和食

会場では,数名のクウェート人がゲストとしてよばれており,カバちゃん以外には筑波大学の大学院を出られた女性の方と,もうひとり岡山大学で統計学の博士号を取得され,現在クウェート国際空港の主席統計アナリストとして働いていらっしゃるアフマド(أحمد)さんという方がいらっしゃいました。アフマドさんは,夕方以降クウェート大学シュワイフキャンパスで統計学の授業を受け持っているそうです。

女性陣は先にタクシーで帰宅。われわれは獲得した戦利品(残った日本食)とともに,カバちゃんに寮まで送ってもらいました。部屋に戻ってまた明け方近くまでお勉強。

2013年9月24日火曜日

生活の工夫

今日は昼前にベッドからぬくりと起きて,しばらくぼーっとしてました。意識を取り戻し,申し訳程度に単語のお勉強。

14時になったので出発しようと思ったら,先にランゲージセンターへ向かっていたルームメイトから「今日はハーリド先生が休みのため,中級上級合同で授業を行う」との連絡。前回の経験を受け,今回は参加を見送りました。というのも,中級を担当するアブドゥルムフスィン先生は「単語や内容の確認に重きを置く」という方針で授業をしている模様。僕は語源,習慣,文化など,自習することが難しい派生的な話を聞くために授業に参加しているため,今日はランゲージセンターには行かず,部屋で勉強することにしました。

今までやった授業の復習と,インターネットラジオ放送でアラビア語のお勉強。1時間くらい勉強してから,日本にいる親友とスカイプ。部屋や寮の様子をビデオ越しに伝えるのに,そこら中をうろうろ。2時間くらい話して,夕食の準備。今日はオリーブのトマトソースパスタです。

今回はオリーブを追加

ご飯を食べて,20時30分くらいまでお勉強。食堂が21時までなので,1日分の食券3枚を持って食堂で飲み物7本と交換。ふたり合わせて14本。最近は毎日こんな感じなので,もう飲み物が冷蔵庫に入りきりません…。水も8本くらい外にあります。これどこかで売れないかな(笑)

水とパックジュースは食堂から

 一方棚には大量のお菓子を常備していて,これをお供にお茶を飲みながら勉強するのが最近の楽しみです。

食料保存庫
 
勉強に飽きたころ,窓につけていた洗濯物用の吸盤をみて,良いことを思いつきました。まず鍵を置く場所が定まらなかったので,ドアの取っ手に吸盤をつけて,そこに鍵をかけることに。これで鍵の管理が容易になります。

フック型の吸盤が鍵掛けに

もうひとつ。洗面台横のタオル掛けを別の用途で使っていたため,タオルをかける場所がなかったのを,この吸盤とロープを使って解決してみました。部屋もだいぶ過ごしやすくなってきました。

吸盤を使ったタオル掛け

2013年9月23日月曜日

脱線

朝昼ご飯抜きで授業へ。クウェート人は夜遅く朝早いのですが,われわれにとってはやはり夜が遅いと朝起きられません…。

授業は昨日の続き。先生が読みながら内容を確認します。もちろん,今日も脱線。僕はこれを聞くために授業へ参加しているようなものです。まずは「犬」について。こちらでは犬が汚い存在として考えられているのだとか。イスラーム化以前はそんなことはなかったそうなのですが,イスラーム化以降,そう考えられるようになったらしいです。次は「養子」について。この国では養子をとっても親が名前をつけずに,国が代わりに名前をつけるようです。その話が終わって,どういう流れだったか思い出すことはできませんが,いつの間にか「アリのように毎日同じことを繰り返す生活がよいかどうか」という話題になり,クラスの何人かが自分の意見を述べて,その後2人組のコースワークに。

今回は,アラビア語の文法範疇について。「名詞(اسم)」「動詞(فعل)」「不変化詞(حرف)」を文章の中からそれぞれを5個ずつ取り出して,それを別の組と交換して答え合わせをします。その後,それら3つの文法範疇の違いについて「意味」と「時間」という観点からハーリド先生が解説。ハーリド先生いわく,名詞は語の「意味」のみ,動詞は「意味」と「時間」,不変化詞は不完全な「意味」と「時間」を内包しているとのこと。これが終わると,また別のコースワーク。今度は4人組をつくって,プリントに登場した4人の登場人物になりきり,会話をつくって発表。これで授業は終わり。

今晩はグルジア人,中国人,台湾人の友人とみんなで夕食をとりました。食堂のお米がどうしてもおいしく感じられなくて,最近パンを食べることにしています。

パン中心の夕飯

戻ってふたりで明け方までお勉強。夜景がきれいです。

寮から見える夜景

2013年9月22日日曜日

ディーワーニーヤ

最近は夜遅くまで勉強して,昼前に起きるという生活が続いています。結局朝昼はとらずにランゲージセンターへ。

今日は新しいプリントが配られました。先生が読みながら内容の確認。途中脱線して「ヘビ」を表すアラビア語の「ハイヤ(حية)」という語の語源について,ギルガメシュ叙事詩に触れながら解説。そこからまた離れて,クウェート人(アラブ人)の迷信について。家から出た時にヘビに出会うと,良いことが起きる前兆なのだとか。一方,家に黒い鳥が入ると,それは誰かが亡くなることを意味するようです。他には,キリスト教圏の「13」や日本の「4」のように悪い数字はあるわけではなく,その一方で「7」は肯定的にとらえられているそうです。「70」は「数量が多いこと」を意味するとのこと。また右は常に左より優れているらしく,例えば,目上の人と並ぶことがあった場合,右側をゆずるらしいです。

このクラスでは,上級クラスということもあってか,教材そのものを学ぶというよりはむしろ,それを題材に言語の背景やその言語が話されている文化を学ぶというスタイルがとられてるようです。

寮へ戻っていろいろと作業をしていたら,いつのまにか18時に。今日は「ディーワーニーヤ(ديوانية)」というクウェートで伝統的な談話会に参加することになっています。ネコと遊びながら,地階で案内役の学生長らを待機。30分くらいしてようやく登場。

なぜかこちらを見つめるネコ

学生長とその友人2人が車を用意してくれていたのですが,5人乗りの車1台しかないらしく,まさかの12人がぎゅうぎゅう詰めになって乗ることに…。中国人の友人ら2人と僕は,後ろの荷物置きに座り,他の6人は3人掛けの椅子に前後2人ずつ,運転席と助手席の間に1人入って車に揺られること約40分。着いたところはランゲージセンターのお偉いさん(現時点で詳細不明)のお宅らしく,ご挨拶をしてからディーワーニーヤ専用の部屋に通されました。まさに「豪華絢爛」という言葉がぴったり。席に着いてから,カルダモンの香るアラビアンコーヒーと,ミントティーをごちそうになりました。

ディーワーニーヤ用のお部屋


ミントティー


手洗い場には真っ白なお手拭きタオル

まずは自己紹介。そして,それぞれの国について語り合います。基本的に,ひとりが話している間は,全員がその人の発言を聞きます。他にもルールがあり,例えば台湾の帰属問題のようなデリケートな話題であっても「この件については踏み入りたくない」というように自分から話を遮ってはならないとのこと。1時間半くらい話し合い,ついにお待ちかねのお食事です。バイキング形式で好きなものをとることができます。どれもこれも本当に美味しかったです。

 
高級感漂うアラブ料理

デザート

お食事が終わるとまたディーワーニーヤのお部屋へ。みんなで30分くらい話してからお別れ。この会のおかげで,自分がまさにクウェートで生活していることを肌で感じることができました。特に,誰かが新しく部屋に入った時は,全員立ち上がってひとりずつ挨拶するとか,飲み物を頂戴するときは右手で受け取るとか,こちらの常識や立ち振る舞いについて学ぶことができました。聞いたところによると,これが毎週日曜日に行われるとのこと。こんなすばらしい集まりが毎週あるなんて,夢のようです。


後ろ向きで約40分

22時すぎにお別れのご挨拶して,再びあの車へ…。来週は2台で行きたいです…。